ヤ行/邦画

「世の中にたえて桜のなかりせば」2022公開

苦くて辛い世界だけど、上を向いて行こう。 プライベートフィルムのような切実な想いを芯に、商業映画の口あたりの良さを衣にまとわせた料理のような映画。素材の味わいを損なわない配慮の行き届いた調理で、淡く清涼な甘さを、涙の苦さがキリリと引き締めて…

「闇の子供たち」2008

阪本順治監督の意欲作。そして文字通りの問題作。幼児売春やペドフェリア(幼児性愛)を含む人身売買を直接描写として扱うため、さすがに子どもには観賞を薦められないという皮肉を背負う。しかし、大人世代には観賞義務くらい課しても良い。そう思います。…

「夕凪の街 桜の国」2007

映画としての完成度を云々する以前に、こうの史代氏の原作に心打たれていました。ずっとずっと気になっていました。レンタルにDVDが並んでから随分経ちますが、手に取る都度棚に戻していました。自分の中のひどく柔らかな部分に触れてしまいそうで何とな…

「妖星ゴラス」1962

1998年のハリウッド大作「ディープ・インパクト」と「アルマゲドン」は、巨大隕石衝突の危機を迎えた人類(=米国民)のパニックと苦闘を描いてヒットした。特に後者は、隕石破壊に赴く命懸けのヒロイズムを徹底した娯楽色タップリのベタな演出で大ヒット作…