“もったいない存在”について
仕事から帰ってきたら、TVから天海祐希(敬称略)の主演ドラマが流れていました。
所謂「月9」です。
昨年日本テレビの「女王の教室」に主演してから、視聴率的人気がグッと上昇したようで、どうやらゴールデンタイムの主演女優の座が定着してきた様子です。
ひとまずは、よかったですね。
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と言いながら、私はまったく不満です。
だって、天海祐希って、この程度の素材でしたっけ? 声を大にして問いたいです、私は。
97年に亡くなった映画評論家の田山力哉氏が、キネマ旬報97年1月下旬号に「女優を売り出すということ」と題して、天海祐希について同様の論旨で触れていました(「さよなら映画、また近いうちに」キネ旬刊収録)。
“(初主演映画「クリスマス黙示録」に触れ・・・)冗談じゃない。天海のような女優はあくまで最初から大女優の雰囲気を持って登場すべきで、これでは折角の大器が花咲くかどうか心配になってきた”
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まったく同感。
すでに彼方に消えてしまった「クリスマス黙示録」はともかく、映画であれTVドラマであれ、天海祐希ほどの素材を“お茶の間のアイドル”的な人気者として消費させてしまってよいのだろうか、と素直に思います。
華のある俳優は一握りの存在です。その中で、大器と呼ぶに相応しい人はさらに絞られるはず。
宝塚引退から随分時を経た天海祐希は、もはや新人などではありません。
しかしながら、これほどのスケール感をもった、凛とした女優も、そうそういないのです。
非日常的な存在感を持つ役柄を、スクリーンで堂々と演じる彼女を観てみたいと思いませんか?
確かに、エキセントリックな女教師の存在感は、お茶の間での話題にはなりました。
でも、それは彼女に感じられる大器の期待の、ほんの一端に過ぎないと思えるのです。
もっともっと、インパクトのある役柄を、彼女に与えられる存在は、どこかに無いものでしょうか?
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