天才 中島みゆき について

このところ、中島みゆきを引っ張り出して聴いています。

個人的には80年代前半までが好きですが、タイトルや歌詞に英語が使われるようになって以降の曲も嫌いじゃないです。
何といってもレベルが高いですから。
好きじゃないといっても、インパクトは凡百の歌手とは桁違いです。聴かせてくれます。


その天才 中島みゆき嬢ですが、私はひどく不満に思っていることがあります。


プロジェクトX」以後、彼女の歌は世間一般に再認識・再評価されている訳ですが・・・。

私は、中島みゆきが“サラリーマンの応援歌”を歌う“おじさんたちの希望の星”などと呼ばれるのが我慢なりません!
断じて、そういう評価は認めません!


確かにヒットしました「地上の星」。
確かに良い楽曲です。

ですが、あえて言わせていただければ、「時代」以後の彼女を聴き続けてきた者にとって、「地上の星」程度の歌でがたついてどうするってもんです。
たまたまTV番組で涙ぐんだからって、たまたま耳に馴染んだ“風の中の〜”を必要以上に持ち上げて、聞いたような口をきく輩はひっこんでいただきたい。

中島みゆきは、サラリーマンの応援歌を歌うなどというスケールで語られてよい人では断じてないのです。


例えばアルバム「予感」の1曲目「この世に二人だけ」のサビのフレーズ。

“二人だけ この世に残し
死に絶えてしまえばいいと
心ならずも願ってしまうけど
それでもあなたは 私を選ばない”

プロジェクトX」に涙ぐんだオジサン方よ。
涙も出ない絶望を歌詞に込めてしまう彼女の天才を、自分達への応援歌などという貧相な言葉に閉じ込めないでいただけませんか?


今日はこのへんでとどめますが、彼女の世評を、もっと適正なものにしていきたいと切に思います。