映画とは別の話を : “日本シリーズ”を楽しむ

kaoru11072006-10-25

プロ野球は好きです。

熱心なファンという訳ではありません。スタジアムに足を運んだ経験もごくわずかです。
今年はナイター中継も激減しましたので、テレビ観戦時間も殆どなかったようなものです。

それでも毎年この時期、日本シリーズは出来る限り観るようにしています(昨日は仕事で観られませんでしたが)。


その際のモティベーションは、一貫して“頑張れパ・リーグ”です。



小学生の頃は「巨人の星」「あしたのジョー」が大人気。所謂“スポ根”ものの時代でした。
サラリーマンの娯楽の代表格としてナイター中継が厳然としており、おまけに長嶋も王も現役だったV9時代。
まずは“巨人・大鵬・玉子焼き”というところから入門したクチです。

やがて天邪鬼な自我の芽生えと共に、“アンチ・ジャイアンツ”感覚を身につけていきますが、それでも積極的に贔屓のチームを持つなんてことはありませんでした。

結局、ちゃんとゲームを楽しんで観戦するようになるのは、社会人になってからです。

現在、敢えて応援しているチームを問われれば、ライオンズとホークス、ということになりましょうか。


その程度の消極的な野球ファンですが、何故だか日本シリーズになると、観戦意欲が急激に高まります。

我ながら何故だろうなぁと思っていたのですが、どうやらそれは“パ・リーグ”贔屓の体質によるものだと自覚し始めました。


例えば今年、まだ3戦までの段階ですが、頑張れ北海道日本ハムファイターズが基本スタンスですし、一年前は千葉ロッテの4連勝を嬉しさと共に楽しみました。
一昨年のライオンズ日本一にも万歳気分で、要するに、日本シリーズにおいてパがセを倒すことにカタルシスを覚えているようなのです。

だっていいじゃないですか、パ・リーグ


これまで、巨人戦のナイター中継が巨大な利権となっていた日本のプロ野球界でしたので、圧倒的なメディア露出を誇るセ・リーグがずっと優先的な人気を維持してきました。
有力なアマ選手も就職先としてはセを希望することが多いですし、人気選手の移籍傾向も、常にパ→セであることに変わりありません。

一昨年のプロ野球危機のきっかけも、パ球団の経営難だった訳です。

それでもこの10年。確実にパ・リーグは、日本のプロ野球の進むべき方向を示してきていると思います。


例えば・・・福岡:ホークス、北海道:ファイターズ、仙台:楽天、千葉:ロッテという“地元チーム”意識の確立。

例えば・・・イチローや城島といった、ハイレベルな“走攻守”を魅せるスター選手の輩出。

WBCの優勝において、貢献した選手はパ・リーグが中心だったことも嬉しい話でした。

新庄剛志というタレントが、現役生活の最終章を“これからは、パ・リーグです”と宣言して選択したことも見事なパフォーマンスだったと思います。よいセンスをしていると思いました。


まあ、屁理屈はともあれ、戦後日本において固着されていたプロ野球の構造を、先行して改革しつつあるのがパ・リーグであると思っています。
経営難もあってそうせざるを得なかった訳ではありますが。

でも、それでも良いのだと思います。

その証拠に、テレビ中継は激減しましたが、スタジアムは賑わっています。
東京ドームで閑古鳥が鳴いていたファイターズの試合が、札幌ドームを熱狂させています。

ナイター中継全盛期、今はなき平和台球場のライオンズ戦も閑古鳥でしたが、今日の福岡ドームは甲子園に追いつかんばかりの興行成績です。

今年のWBC、夏の甲子園の熱気、そしてパ・リーグの躍進を思うとき、日本のプロ野球が新しいステージに入ってきたことを感じます。
あとは、これに興行的成功が結びつき、経営的にも成功していけるようになればと期待します。


なんだかロジックがいい加減な文章になりましたが、そんな訳で、今年はファイターズを応援しています。