大俳優 丹波哲郎 大往生！ 合掌。

丹波哲郎氏が84歳の生涯を閉じた。

致し方ないことではありますが、残念です。惜しいです。

日本の男優で誰が好きかと問われたら、必ず筆頭に名前を挙げさせていただきました。
きっとこれからもそれは変わらないでしょう。

以下は印象に残る主演・出演作。

【日本沈没】73年

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冒頭の写真が極めつけ。以前の日記にも記しましたが、事実上の主役山本総理。
ブレーンから日本民族のためには何も手を打たず、列島と共に全国民が海に沈んだ方が良いと聞かされ、感極まるシーン。
このスケール感と細部に血を通わせる見事さ。

【砂の器】74年

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東北弁の“カメダ”を追って全国に足を運ぶ刑事。観る人を必ず涙させるミステリー映画の語り部。
この映画は何度も観たため、丹波氏演ずる今西刑事の台詞は諳んじています。
“･･･あなたの息子は、見所のある頭のいい子だから、きっとどっかで立派に成長しているだろう。そうしてそのうちに、必ず必ずきっと会いに来るに相違ない。繰り返し繰り返し、そのように慰めております･･･”

【切腹】62年

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ここでは悪役。老獪な家老に仕える剣の腕の確かな家臣。
仲代達矢演ずる主人公に倒されはしますが、主人公を圧倒する実力者の風情をたたえています。

【００７は二度死ぬ】67年

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ジェームズ・ボンドと連携する日本の諜報部員タイガー田中。
こんなマンガチックな役柄を演じて失笑されない俳優は、彼しかいないと思われます。
通訳ができる程の英語力も存分に生かせてました。

【映画クレヨンしんちゃん　爆発！温泉わくわく大決戦】99年

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“温泉の精”だが、「俺はジェームズ・ボンドとも一緒に風呂に入った」と言ってのける丹波氏そのもの。
それを堂々と声優として演じてのける度量の大きさ、大らかさ。
映画も十二分に面白い出来ですが、キッズアニメと馬鹿にせず加われる偏見のなさが素晴らしい。

【二百三高地】80年

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児玉源太郎を演じ、おそらく唯一の演技賞を受賞。
もっとも、“賞”などというスケールにとどまる役者ではなかった。

【大日本帝国】82年

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東条英機を演ずる。家庭内で苦悩する姿は印象に残りました。

【連合艦隊】81年

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小沢治三郎を演ずる。レイテ沖で瑞鶴による囮作戦を承諾する決断のシーンの格好よさ。

他にも見事な出演作、快演作がいっぱい･･･。

「大霊界」「大霊界２」「砂の小船」といった、製作・監督作もあり、立派な足跡を残されたと思います。

今は、ただただ、数々の名場面を思い起こしながら、冥福を祈るのみです。