2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

 「幸福」1981&1980.7〜9

学生時代のほぼ同時期に観た二つの「幸福」。 1本は、名匠市川崑監督が81年に公開したキュートな刑事ドラマの佳作。もう1本は80年の夏にTBS系で放送された高品質の連続TVドラマ。当時どちらも興味深く観たのですが、こうして年齢を重ねて振り返ると、…

 「グロリア」1980

監督ジョン・カサベテス&主演ジーナ・ローランズ。この素敵な夫婦の手で制作された映画の中で、おそらく最も多くの人に愛された作品。シドニー・ルメット&シャロン・ストーンの99年リメイク版は未見です。 ジーナ・ローランズのカッコよさが語りつくされて…

 「明日に向かって撃て!」1969

映画というメディアに青春があったとして、その瑞々しさが結晶した紛れもない1本。1969年というタイミング、米国の大地、スタッフ&キャストの“旬”がフィルムに固定化されています。“アメリカン・ニューシネマ”という枠組みの中に位置づけられますが、そん…

 「それぞれの秋」1973/9/6 〜 1973/12/13

TVドラマへの思い入れを失ってからどれくらいになるでしょう。 映画の歴史は110年。TVドラマのそれは50年。それぞれのメディアがその青春期を終え、成熟に向かいつつあります。技術進歩がパーソナルな鑑賞機会(属性別に細分化した視聴)を増幅させ、T…

 「素晴らしき哉、人生!」1946

名匠フランク・キャプラが第二次大戦直後に撮ったハート・ウォーミングな名作。“甘すぎる”という批判は重々承知の上で、お気に入りのクラシックに据えています。確かに飛び切りのハッピー・エンドが印象に残る映画なので“キャプラ・コーン”と呼ばれる甘口人…

 「戦場のアリア」2005

何の予備知識もなくDVD鑑賞。成る程、05年の仏観客動員数一位も頷けました。 それなりに突っ込みどころや弱点はありますが、しっかりと心を打つ爽やかな甘美さに辛口の現実感をブレンドし、第一次大戦の前線に闘った兵士たちへの誠意とオマージュを込めた…

 「白バラの祈り」2005

奇しくも前頁の「わが命つきるとも」の相似形のようなドラマです。16世紀における英国のトマス・モアと全く同じに、1943年2月のドイツ・ミュンヘンで若干21歳の女子大生ゾフィー・ショルが断頭台に消えた事実を正確に再現した映画。鳥肌が立ちました。恐ろし…