2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

 「河童のクゥと夏休み」2007

若い人たちには当然実感できないでしょうが、これほど“松竹富士”の相応しい新作は久し振りです。 私は以前、原恵一は木下恵介の正統なる後継者ではないか、と記したことがありましたが、本作を観てそれは確信となりました。紛れもありません。写真はすべて (…

 「かくも長き不在」1961

DVD化されていないためVHSを探していました。ようやく渋谷Q-FRONTでレンタル。 これほどの傑作がディスク化されていないとは・・・。旧いテープの荒れた画像。しかし、私の生涯の10指に確実に入る凄い作品でした。 淡々とした中年男女二人だけの演技と会…

 「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」2001

キネ旬から「BSアニメ夜話vol.5」が発売されたので早速購入。映画の内容を反芻しています。この10年で公開された日本映画の中でも出色の出来栄え。お子さま向けギャグアニメの劇場版でありながら、そのモチーフとテーマの今日性と切り込みの鋭さは極めて…

 「バトル・ロワイアル」2000

深作欣二監督の事実上の遺作。 故石井紘基議員が鑑賞規制を問題提起するなど、その暴力描写が話題になった話題作でした。確かに、本作のモチーフは殺し合いゲームという圧倒的な暴力を強制された理不尽下の中学生たち。極めて異常な状況を描く異端の創作であ…

 「007/カジノ・ロワイヤル」2006

昨年末に贔屓の引き倒しの日記を記しています。 http://d.hatena.ne.jp/kaoru1107/20061229 写真はすべて C)2006 Sony Pictures Entertainment (J) Inc. All Rights Reserved. DVDで再見しても評価に変化はありません。最高・最良・最善のボンド映画をリ…

 「二百三高地」1980

途方も無い消耗戦で多数の戦死者を出した、日露戦争における旅順攻略を描く東映の超大作。公開当時、さだまさしの主題歌「防人の唄」と共に大ヒットしました。 しかし動員の中心は中高年層以上であり、自分ら若い世代はあまり関心を持たなかった記憶がありま…

 「英霊たちの応援歌 最後の早慶戦」1979

ドライでスタイリッシュな表現と、戦争体験へのこだわりを貫いた孤高の個性派:岡本喜八監督作品。 作品群の中では比較的地味な存在ですが、リアルタイムで接した経験から私的には大事な映画です。某王子の存在で、ここ40年くらいの間で最高の盛り上がりを見…

 「戦火の勇気」1996

湾岸戦争版“藪の中”です。 よく描き込まれた脚本。まさに秀作。組織の中で誠実を貫く男の葛藤ならはまり役のデンゼル・ワシントン、もの凄い減量に挑戦して、苦悩する青年を体当たりで描写したマット・デイモンなど、役者の魅力がしっかりとした物語の骨格を…

 【再掲】「悲しき天使」2006

写真はすべて(c)ツインズジャパン昨年ごく限られた劇場でひっそり公開された、大森一樹監督のインディペンデント作品。 DVDがレンタルにも並びました。 再見して、これは少しでも知っていただくべき映画と思い、昨年11月の日記を、若干修正して以下に再…