2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「緋牡丹博徒 お竜参上」1970

富司純子でもなく、寺島純子でもない。“緋牡丹のお竜”こと矢野竜子は、藤純子でなくてはならない。「緋牡丹博徒」1968に始まり「緋牡丹博徒 仁義通します」1972までの5年間全8作。やくざ映画というジャンルの中で唯一無二のヒロインとして、“お竜さん”は記憶…

「ニキータ」1990

もう20年近く前の作品になってしまったリュック・ベッソンの代表作。自らの脚本を当時の妻アンヌ・パリローをヒロインに創造した極上の1本。荒唐無稽な娯楽アクションに過ぎないのに、そこに詰め込まれた豊穣さと美しさはどうだろう。プロットの細部は様々な…

「炎のランナー」1980

1980年イギリス映画にしてアカデミー賞作品賞受賞作。当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったヴァンゲリスの印象的な旋律に乗せて、スローモーションの短いカットを畳み掛ける編集と、1920年代のヨーロッパの雰囲気をシックに描いたスタイリッシュな映画。1924年パリ…

「刑事コロンボ:忘れられたスター」1975

刑事コロンボ 完全版 Vol.16 [DVD]出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン発売日: 2005/01/01メディア: DVD クリック: 6回この商品を含むブログ (1件) を見る劇場公開された作品ではないが、コロンボシリーズは別格。70年代の各シリーズ群に…

「バンテージ・ポイント」2008

「バンテージ・ポイント」の面白さは、決して大統領暗殺テロという社会派的素材にあるのではありません。 極論すれば、モチーフとなる事件は何だって構わない。面白さの核心は“語り口”。そのテリングの切れ味の豊かさと楽しさ。重大事件発生までの30分間を、…

「クローバーフィールドHAKAISHA」2008

今年公開されたハリウッド娯楽作2本。突発的な都市災厄やテロリズムをモチーフとするが、思想の深さを問うものではない。面白さを追求する中で存分に実験精神を盛り込んでいます。タイトな上映時間に面白さと興味深さが満載。新しい才能の台頭にワクワクさせ…