2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

 「わが命つきるとも」1966

名匠フレッド・ジンネマンの英国作品。1966年のアカデミー作品賞など6部門を総なめした硬派な史劇。私の大好きな1本です。 日本には“長いものには巻かれろ”ということわざがありまして、所謂サラリーマンたる私などはよく噛みしめることが多い訳です(笑)。…

 「連合艦隊」1981

日本人にとって8月はやはり特別な月であり、戦争と戦場を描く映画に対する想いを新たにするのは、私自身が太平洋戦争敗戦から16年しか経過していない時に出生した子どもであったことによるのでしょう。 最近では、60年前には米国や中国と戦争をしていたのだ…

 「22才の別れ Lycoris―葉見ず花見ず物語」2006

大林宣彦の“大分+伊勢正三”モチーフ作品第2弾。昨年の東京国際映画祭の時は気づきませんでした。本日、テアトル新宿の公開初日。初回上映を観るなど初めてのこと。上映終了後に舞台挨拶あり。大林監督と主演の筧利夫だけかと思ったら、とんでもありませんで…

 「時をかける少女」1983

私がこの1年絶賛を惜しまない細田守版2006年作品に先立つこと23年。この年、この筒井康隆の傑作ジュヴナイルの実写映画化の決定版が、大林宣彦の手によってリリースされました。 「転校生」1982、「さびしんぼう」1985と共に“尾道3部作”を構成する本作は、…

 「スターリングラード」2001

第2次大戦の悲惨なる激戦として名高いスターリングラード(現ボルゴグラード)の攻防戦をモチーフにジャン・ジャック・アノーが描いたユニークな視点の戦争映画。日本と日本人は、太平洋戦線と中国戦線、沖縄戦と被爆を含めた本土空襲の悲惨の体験があまりに苛…

 「駅 STATION」1981

名TVドラマライター倉本總が高倉健のために書き下ろしたオリジナルシナリオ。美しく厳しい北海道の四季を背景に、オリンピック射撃代表経験ある若くはない警察官と関わった人々との苦く切ないエピソードを連ねた作品。突き放した叙情とでもいうような、大…

 「七人の侍」1954

日本映画史上、本作ほどあらゆる属性の人々に評価された作品はないでしょう。それほどの作品、しかもあらゆる評価評論が語りつくされた名作を採り上げるのはあまりに敷居が高いのですが、敢えて記してみます。昭和29年は、日本映画界のひとつのピークの時期…

 「リトル・ミス・サンシャイン」2006

香港のオリジナルをリメイクした「ディパーテッド」でなく、本作がアカデミー作品賞を獲っていたらハリウッドの流れも少し変わったかもしれません。低予算ながら非常に知的で時代性に富み、観るものに等身大の感動を与える佳作。小粒ながら愛すべき光を放つ…