2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「バッテリー」 孤高の少年像を読む

あさのあつこ作の「バッテリー」。気になりながらも読んでなかったので、Ⅰ〜Ⅲを通読。 Ⅳ〜Ⅵは、週末に図書館で借りようと思っています。 ファンの方々には今更という感じでしょうが、コメントします。 成る程、人気がある訳です。 主人公の造形が素晴らしい…

大俳優 丹波哲郎 大往生! 合掌。

丹波哲郎氏が84歳の生涯を閉じた。 致し方ないことではありますが、残念です。惜しいです。 日本の男優で誰が好きかと問われたら、必ず筆頭に名前を挙げさせていただきました。 きっとこれからもそれは変わらないでしょう。 以下は印象に残る主演・出演作。 …

「機動戦士Zガンダム 星の鼓動は愛」 : このラストは・・・

富野由悠季監督が、自分の作品群の中で最も嫌悪していたTVシリーズの20年以上経過してからの劇場作品化。 「星を継ぐもの」「恋人たち」と来て、この「星の鼓動は愛」で3部作完結。機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛- [DVD]出版社/メーカー: バンダイビ…

散華への鎮魂 「男たちの大和」 に連なる映画たち

ヒット作です。DVDにて鑑賞。結論から書きますと、私にとっては特に強く響くものはありませんでした。しかし、このタイミングで世に出ている価値は大きな作品です。 こういう映画がヒットすることは良いことです。特に10代、20代の若い方々には観てもらい…

「歓びを歌にのせて」 : ルネッサンスの“童話”

スウェーデンの映画を観る機会など殆どありませんが、この映画は誰でも面白く観ることができる感動作です。お薦めします。 名を遂げた音楽家が病のため故郷の村に帰り、そこの聖歌隊を指導することになる。 主人公と聖歌隊をはじめとする村の面々が相互に影…

何とも素敵な 「下妻物語」 の幸福感!

こんな愛すべきハイセンスな映画を見逃していたとは! 公開からの2年間を無駄に過ごした気分です。 本当に食わず嫌いはいけません。大切なものを見失います。 監督の中島哲也氏は、サッポロ黒ラベルの卓球編(山崎努と豊川悦司のスローモーションの奴)を手がけた人…

大林宣彦 「ふたり」 : クールな叙情に浸る

前ページのお題は同世代の女性には不評なので、早く次を書いておきます。 私の大好きな大林映画の世界について。所有する大林映画のDVDは2本。「時をかける少女」と、この「ふたり」。 (「転校生」も持っていたのですがAmazonで売ってしまいましたとさ…

太田裕美 「セカンドラン〜二番館興行〜」 をめぐって

退屈な講義ならサボタージュ 二番館 2人で通ったものさ プログラム抱きしめてワクワク メリーゴーランド待ってる少女みたいだったね 試験中も学食で情報誌 ひろげては 目あてに印をつけて 真っ白な教科書を抱えて 図書館通い それさえ君となら愉快だったよ …

傑作 「DEATH NOTE」 やっと読了!

「ヒカルの碁」はリアルタイムでコミックスを買ってたのですが、その後油断しているうちに連載していた大ヒット作。 映画は未見です。小畑健(先日逮捕。ご近所に住んでたとは知りませんでいた)の作画は「ヒカルの碁」の途中から目覚しく格好よくシャープに…

追悼:小林久三  「皇帝のいない八月」

作家 小林久三氏が亡くなった。 70歳だったそうです。未だ若いといえる年齢です。私は小林氏のよい読者ではありません。なにせ殆ど著作を拝読していません。ですが、高校時代に受験勉強の合間にキネマ旬報で読んだ、氏原作の「皇帝のいない八月」の映画化記…

好きになれない映画 「フォーガットン」

意外な展開でひきつけるサスペンススリラー。 90分のコンパクトなつくり。 途中飽きることなく面白く観られました。が、好きにはなれない作品でした。 フォーガットン [DVD]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント発売日: 2006/04/19メ…

交錯する視線の魅力 P.ジャクソンの「キングコング」

あぁ劇場で観ればよかった! 欠点のない作品などこの世にない訳ですが、この映画も見事な出来栄えながら“長過ぎる”と言われてしまいます。確かに長いです。肝心の未開の島に着くまで1時間を要します。忍耐力がないと厳しいでしょう。 驚異のVFXによるモ…

愛読書たち! 80年代の柴田昌弘

本棚をひっくり返してたら、しばらく忘れていた柴田昌弘のコミックスが出てきて・・・。 整理の手を止めて読み耽ってしまいました。柴田昌弘。70年代に別冊マーガレットから出てきた異色の少女漫画家。90年代以降は青年誌にシフトしてエロティック路線に行…

小説「深紅」の魅力 : 故野沢尚を惜しむ

一昨年自ら人生を閉じた脚本家 野沢尚の最後の映像脚本となった映画。 昨秋の公開時に観ようと思いながら、今日まで引き延ばしていました。残念ながら映画はあまり評価できませんでした。しかしながら、野沢氏の手による原作小説「深紅」には、最大級の賛辞…

小説「DIVE!!」の人生の肯定感に酔う! 面白い!

先日も書いた森絵都の小説「DIVE!!」。講談社から出ていた全4巻の単行本で既読の方々や、この素敵な直木賞作家の愛読者の方々にとって、このページの文章は何の意味も持ちません。 最近まで知らなかった私が恥ずかしい。 こんなにも面白い書き手が同時…